第2回定時総会報告

2016/07/27

 役員改選後抱負を語る斉藤章新会長
 国産材を使った木造住宅を守る会が一般社団法人に移行してから2回目を数える定期総会が7月23日(土曜日)に東京都亀戸文化センターで開催され、当会創設以来会長職を務められてきました平出博会長が勇退の意を強く示されたことを受け、今総会をもって名誉会長に就任いただくとともに、新会長に斉藤章副会長を選任しました。
 総会では、平出会長が「私は今年で90歳になりました。もうそろそろ後任の方が変わっていただいてもいいのかなと以前から思っていましたが、ようやく、今回やっと、その意が叶うことになりました。目の方は弱くなり好きな本を読む機会も少なくなりましたが、木は匂いでも判断できます。この年まで現役でおられたこと、自分ながら称賛できることだと考えています」と意気軒昂な挨拶を行い、議案審議に入りました。
 事業報告、収支決算報告、事業計画、収支予算にかかわる議案は審議のうえ全員一致で可決され、任期満了に伴う役員改選では、平出会長が名誉会長・相談役に就任するとともに、新会長には斉藤章副会長が選任されました。
 新会長に就任した斉藤会長は、「平出前会長は大正15年生まれで今年90歳ということですが、私は昭和25年生まれ、丁度二回り下の寅年ということで、会長職を引き継ぐにあたって非常に緊張しています。ただし、一般の人たちが35年というローンを組んで購入する家が、20年ないしは25年で建て替えられてしまうという状況は極めて問題だと考えています。35年のローンを組んだら少なくとも40年か50年は、欲を言えば100年は持ってほしい。守る会はこういった住宅を市場に供給していきたいとの目標を持って設立されたものです。皆さんから知恵を出し合ってもらい、このような目標達成に向けて進んでいきたい」と新任に際しての抱負を表明しました。
 なお、国産材を使った木造住宅を守る会では、本年度事業の主要取組の一つとして、9月10、11日の両日にはイオンモール成田で木材PRイベントの開催を予定しており、当面はそのイベントが成功裏に実施されることに向けて総力を挙げて取り組むとしています。

当日の総会で承認された平成28年度事業計画は以下の通りです。

第3号議案 平成28年度事業計画

 「国産材を使った木造住宅を守る会」は、「日本の伝統工法である木造軸組住宅を守ることが、大工・工務店といった職人やその技術を継承することに繋がり、これこそが木材業・木材流通業の存続には欠かせない要件である」との本会設立時の精神に基づき、本年度もその理想を実現すべく、積極的な活動を展開して行きたいと考えます。

 本年度事業としてまず初めに取り上げなければならないのは、昨年から企画・検討を行ってきたイオンモール成田での「木のイベント」です。木のPRを狙いとしたイベントが大勢の一般消費者が来場するショッピングモールで開催できることは、その効果に極めて大きな期待が持てますが、そのためには周到な準備を行なう必要があります。イベント事態は9月10日(土曜日)、11日(日曜日)の2日間のみとなりますが、イオングループとのタイアップが実現したことで、当イベントのみでなく、守る会活動についてもイオンモールから情報発信をしていただけることになりました。自然素材である木の良さが広く認識され始めた今日、日本で育った国産材の魅力、国産材をより上手に使う知恵・技術といったことの情報発信を積極的に行っていこうと計画しています。

 昨年度に研究会を起ち上げて検討を進めていた『国産材を使った木造住宅を守る会監修の住宅』制度の創設に関しては、『国産材を使った木造住宅を守る会・厳選の家』として、こだわりの部分を強調した形で理想の家の形といったものを提案していこうと考えています。
 また、守る会では木造住宅の良さをPRする中で、木造住宅に関心の高い消費者からの声に対応する体制も整備しようと考えています。具体的な住宅の受注展開まで含めた活動を展開したいと考えています。

 なお、従来から取り組んでいる活動も引き続き取り組んで行きます。継続事業として本年度の活動計画に挙げられる事項は次の通りです。

〇市場解放デーの実施
〇時期を得た情報の提供を目途とするセミナーの開催
〇関係団体が実施するセミナー等の紹介
〇i-Faxによる会員向け情報提供
〇一般消費者向けの啓発を目的としたHPでの情報発信。
〇その他国産材利用振興にかかる諸策