斎藤章副会長が国土緑化推進機構おシンポジウムにパネラーで参加

2015/10/08

 国土緑化推進機構が主催し、毎日新聞社が共催した『緑が拓く地域の芽』と題した地域活性化フォーラムが10月7日に東京駅北口のサピアタワーで開催され、そのパネルディスカッションに、我が「国産材を使った木造住宅を守る会」の斎藤章副会長がパネラーとして出席し、熱弁を振るいました。
 フォーラムは安倍政権の政策の大きな柱でもある『地域創生』を取り上げ、いろいろな視点から地域創生につながる可能性を林業・木材といった観点から探っていこうという趣旨で開催されたもので、第一部は岩手県知事を3期務め、その後、第一次安倍内閣とそれに続く福田康夫内閣で総務大臣を務めた増田寛也氏が「地方消滅から地方再生へ」と題した講演を行い、続いて第二部では「緑が拓く地域の芽」と題したパネルディスカッションが開催されました。
 第一部の講演では、増田元総務大臣は、人口減少期に入った日本の実情をとらえ、「これから減少ペースが一段と加速化することは避けられず、何も対策を講じなければ2100年には日本は5000万人を割り込みかねない情勢となっている。そして問題はその時の高齢化率が40%を上回る水準にあることだ。」として1億総活躍もおぼつかないとする現状に警鐘を鳴らしたうえで、「人口減少を抑える意味で出生率を1.42まで押し上げることがまずもって必要、その上で、地方の独自の工夫を通じて地域の活性化を進めなければならない。これは今になって私が知事時代に行った政策で強く反省していることから生まれたものですが、地方創生を図るには、『(地方から人を)出さない、戻す、引き付ける』政策をおこなっていくことが必要であるとかんがえています」と講演を結んだ。  
 引き続き行われた『緑が拓く地域の芽』と題したパネルディスカッションには、パネラーとして、我が「国産材を使った木造住宅を守る会」の斎藤章副会長のほか、セイホク株式会社の相澤秀郎専務取締役、北海道中川村産業振興課の高橋直樹産業振興室主任、只木良也京都府立林業大学校校長がステージに上った。
 弊会の斎藤副会長は、まず、用意したパワーポインターで、木を育て、収穫し、製材等の加工を経て、製品を市場に流通させ、やっと住宅等の建築に至るという一連の動きを紹介しながら、「長い保育の時間をかけた良い木がたくさん供給されるようになりました。しかしながら、今、この木を本当に生かして使える大工さんがどんどんいなくなってしまっています。せっかく永い歴史を通じて培われてきた日本の木の文化、伝統というものが、継承できなくなってきています。守る会はこのような日本の木の文化、伝統というものを、木は良いんだ。それぞれの木の特性を生かして使うことで本来の良さを発揮できるんだということを発信し、木の需要を喚起することで木の文化を継承できる大工さんなどを応援していきたいと思って活動しています」と会の目的などを紹介しました。
 また、ディスカッションの中で、斎藤副会長は「家を人に例えると、木は骨格です。家を建てるときシステムキッチンだの、フロアーだの、壁紙だのといったところに関心か行きがちですが、これらは洋服にすぎません、着替えることが出来るものです。35年ものローンを組んで購入する家です。ぜひその骨格である木にもう少し関心を持ってください。関心を持っていただければ、木を使いこなすことが出来る大工さんも生きていけるし、木の文化、伝統も踏襲していくことができます。」と熱弁をふるっていました。
 また、パネルディスカッションで同じパネラーとして発言した高橋中川町産業振興室主任は「少なく伐って、高く売り、長く使ってもらう」ことをキーワードに地域の産業活性化に取り組んでいることを紹介し、地域の雇用等も配慮すると、単に高度自動化の大企業を招請するのではなく、地方創生にはローテクでもいいから人づくり、社会づくりにつながる産業展開を目指していきたいと考えを表明していました。